風の谷のナウシカ
(2003年12月9日アップ)
 
あぁ・・・ついにこれを語りたい時がきましたね〜。
私の家に本日ナウシカのコレクターズBOXDVDが届きまして、それで久々に見ました。
もう、今しかない!!っていう感じです。・・・重いかも(汗)
 
私がナウシカと出会ったのは小学校6年生の頃。仲の良かった友達から薦められて見ました。
今思えば当時の私はちゃんと理解したのだろうか?って思ったんだけども、
小6の私は相当、はまったのですよね。
ビデオをオカンにダビングしてもらって、友人から当時はレコードだったサントラを借り、
それを全部カセットテープにダビングして聴いていました。ついてたシナリオを暗記したり(爆)
・・もう小学校あたりから今と似たようなことはしてたし、だいたいのはまり方も似てますね(笑)
私、一番すっごーい気に入ったのは最初はもう、どうしようもなく音楽だったんですよね。
っていうか、その当時これを見てどういう風に理解してたとかを覚えてないっていうのが本音で
でもとにかく、とにかーく久石さんの音楽にかなりの勢いで引き込まれてたのだけは覚えてます。
中2でチャゲアスにはまるまで、将来の夢に「久石譲氏に弟子入り」と書き、
中1のくせに、音大のパンフを取り寄せていたのも事実です(爆)
ナウシカ以外のラピュタやトトロや魔女の宅急便をそれからどういう風にして見たかも覚えてなくて。
中2の時に映画館に紅の豚を見にいったのが、初めてジブリを生で体験したものでした。
 
それからもののけ姫が生まれ、千と千尋の神隠しが生まれても私はナウシカが一番なのです。
初めて見た小6からもう一回りの12年が経ちました。でも2万出してもコレクターズBOXが欲しい!
そんくらいにナウシカには魅力的なものがあるのですよね。
 
そもそも、この作品って本当にきっとアニメでは難しいんですよね、話が分かりにくいっていうか・・
子供向きな話じゃないと思うんですが。・・・でも小6でも好きになってる私もいるけど(笑)
腐海なんて「腐れた海」って書くんですよ?王蟲なんて蟲の王様だけどだんご虫の巨大版ですよ?
ムシアブだって大王ヤンマだって、本気でもう人間よりはるかでかいし、怖いし、群れるし。
しかも腐海に行ったら瘴気でやられるんですよ?毒出してるんですよ?5秒で死んでしまうんです。
何か・・すんごーい重いし、すんごーい深い話なんですよね、これって。
ナウシカの舞台っていうのは、1000年後の世界。今からもう1000年も後の話なのです。
火の七日間で世界は焼き尽くされてしまいます。その7日間で焼かれた世界っていうのが
きっと私達が住んでいるようなこの世界のもう少し、もっと発展した未来で。
それを巨神兵が焼き尽くしてしまうのです。
 
実はナウシカって、原作が漫画で出てて、映画の話とかってこの原作の最初のちょっとなんですね。
より映画を楽しむなら、原作読むのが一番!なんですけど、相当原作は難しいです(笑)
巨神兵って、世界を焼き尽くした悪者だけど・・でもそれでも「神」って名前がついてるんですよね。
この話によれば、巨神兵は人が作り出したものだと言われています。っていうことは・・・
結局人が作り出したものによって、世界は焼き尽くされてしまったのですよ。
それからまた何年もたったあとの話がナウシカの世界なのです。
かつての巨大都市を思わせるような建物の跡がところどころに見え隠れしてます・・けど砂漠。
そして腐海。
人間は腐海を恐れて、蟲達を嫌います。そりゃそうですよ、だって怖いし、いつ危険が及ぶか。
でもナウシカだけは違うんですよね。蟲を愛して、腐海を怖がりません。
っていうかナウシカ、ホントかっこいいんですよ。もう、めっちゃくちゃかっこいい!!!!
風の谷っていう場所の王族の姫君がナウシカで、でも父親のジルは腐海の毒で動けません。
だからかもう、ナウシカの谷での好かれ様はハンパじゃない!!!(><)
今の時代ね、こんなに好かれるトップっていないよ?っていうか、どの時代もそうだけどさ・・・・
こんなに好かれる姫って見たことがない。慕われて、愛されて、もう姫様姫様(笑)
でもホントかっこいいです。
私がすっごい好きなシーンはトルメキアの船(って言っても空飛びます)が全部やられてしまって
ゴル達のマージを救出するために、ガンシップでミトと行った時に、すごい瘴気の中でマスク外すのね。
ゴル達を安心させるためにマスクはずして、笑顔で、そして足でガンシップを運転します。
ホント、何でもないように、笑顔で髪をなびかせながら言うのよ。
「みんな、必ず助ける。私を信じて荷を捨てなさい」
もう・・・そしてナウシカはまた笑顔でその場を去っていくのよ・・・かっこよすぎるー!!!!!!!
何かね、こんなやって身を呈して仲間を救うって、正直今の時代には必要ないでしょ?
これはアニメの世界かもしれないんだけど、何か・・・すさまじいものを感じます。
そしてこのナウシカという女性にもすさまじいものを感じるのですよね。
 
ナウシカって、その腐海の蟲の王様「王蟲」と話すんですよね。
王蟲から出てくるあの金の・・・あれ何?(笑)あれを巻かれても平気・・・ホントにお話をしてて。
結局その愛が世界を救うことになるんですけどね。
何か・・何かね?このナウシカを見たり、ま、他に色々見ても思うんだけど特にこれは思うんだけど
宮崎駿さんの映画って、やっぱこの現代に問題提起をしてるところが多いと思うのですね。
これは出来たのが'84年だけど、今見ると更になんか・・「あぁ・・」って思うところがあります。
この映画全体に出てるのは結局人間のエゴでしょ?自分達が一番に生きていくために何が必要か。
自分達を中心として生きていく場合に何がいらないか。
自分達中心の世界を取り戻すために、この中の人達は争ってるんですよね。
トルメキアもぺジテもそう。ちなみに漫画の中ではこれに一番強烈な土鬼(どるく)ってものもいます。
でも結局意味をなさず、人も蟲もどんどんと死んでいくんですよね。
 
人間中心に生きている世の中に慣れてしまったから、蟲に怯えて暮らすのがバカらしい。
でもナウシカは共存を望んでるんですよね。
ナウシカは何で腐海が出来たか?っていうのを考えているんです。何のために彼らはあるのか。
ナウシカは一人、腐海の生物を持ち帰って育ててたんだけど、そこで気付くんですよね。
キレイな水とキレイな土では腐海の植物は瘴気を出さないって。ユパさまにも言うんですよね。
「誰がこんな風にしてしまったのでしょう」って。それはきっと私達なんですよね。
この映画でも十分腐海が存在する理由っていうのは分かると思います。腐海の底で見たもの。
キレイな水とキレイな土。腐海は何千年かかって人間が汚してしまった水や土を石化してきれいにしてる。
それが腐海の底なのです。そして上では、その汚れてしまったものを吐き出してる状態、なんだよね。
そして王蟲や蟲達はその森を守ってるのです。
それをおぞましいと怖がり、自分勝手に焼こうという人間達を見ると、何かもう・・吐気がしてきます。
そしてその中にいる自分もしかり。
漫画ではもっと深いんだけど、腐海が生まれたわけっていうのも書いてるんだけど、またそこにも人間。
これ・・読まないと分からないんだけど(笑)絶対に説明なんて出来ないんだけど・・・・
漫画では腐海さえも人間が作ったと言ってる。しかも人間は人間さえもを作り変えたとなってるんです。
自分達の手で汚くしてしまった世界を焼き尽くしたのも人間。
腐海を作って世界を生まれ変わらせようとしたのも人間。
その腐海に順応出来るよう人間を作り変えたのも人間。
そして腐海が役目を終え、この世界にキレイな水と土が帰ってきたとき、毒がない世界に耐えられず
死んでいくのもまた人間。
そしてその清浄な世界が戻った時のために、穏やかでかしこい人間の卵を作ったのもまた人間。
 
そういう風に漫画ではなってます。ちょっと長いけど・・・・漫画から抜粋。
「あの時代、どれほどの憎悪と絶望が世界を満たしていたかを想像したことがあるかな?
数百億の人間が生き残るためにどんなことえもする世界だ。
有毒の大気、凶暴な太陽光、枯渇した大地、次々と生まれる新しい病気、おびただしい死
ありとあらゆる宗教、ありとあらゆる正義、ありとあらゆる利害、調停のために神まで作ってしまった
とるべき道はいくつもなかったのだよ。時間がなかった私達はすべてを未来に託すことにした。
これは旧世界のための墓標であり同時に新しい世界への希望なのだ。
清浄な世界が回復した時、汚染に適応した人間を元に戻す技術もここに記されている。
交代はゆるやかに行われるはずだ。永い浄化の時は過ぎ去り、
人類はおだやかな種族として新たな世界の一部になるだろう。
私達の知性も技術も役目をおえて、人間にもっとも大切なのは音楽と詩になろう。」
これが腐海を生んだ、本当の訳、なんですよねぇ・・・・・あぁぁ・・・・ホントに重い。
でもナウシカはこう言ってるの。
「私達の体が人工で作り変えられていても私達の生命は私達のものだ。生命は生命の力で生きている。
その朝が来るなら私達はその朝にむかって生きよう。
私達は血を吐きつつ繰り返し繰り返し、その朝を越えて飛ぶ鳥だ!!
生きることは変わることだ。王蟲も粘菌も草木も人間も変わっていくだろう 腐海も共に生きるだろう。」
ホントにすごいと思います。っていうかナウシカもすごいけど、宮崎駿がホントにすごい!!!
 
でも、このナウシカが生きてる時代を作った張本人っていうのはきっと今の時代の延長なんだよね。
私達がこれから行き着く未来の人間が、自らの意志で世界を焼き、人間を変え、腐海を作るの。
って考えると本当にこっちが恐ろしくなってきます。
小6の時にはこんなこと考えもしなくて。でも12年見てきて、今になってやっと考えるようになって。
いろんな意味で私はナウシカを本当に尊敬してしまうのですよね。
なんていうんだろうなぁ・・今はすっごい「ごめんなさい」っていうか。誰がこんな風に?って言われると・・
私達だねって、そう思います。
宮崎さんはそういうのを問題提起してるんじゃないかなぁ?きっと。千と千尋とかもののけ姫にも感じたし。
あの2本はこの問題提起の延長だと私は思ってます。
 
難しいことはこれくらいにして?(笑)すいませんね、重くて(笑)
もうねぇ・・何だろうなぁ〜??こういう内容もすごいんだけど、もうナウシカがかっこいい!それ!!
あと最初にも書きましたが音楽です。オープニングとエンディングの曲がもう最高ですね。
久石さんのコンサートに2度行きましたが、もうこの曲をされるとすぐに大泣き出来ます(笑)
あとね・・ナウシカが好きな王蟲が私も大好きなんですよね。何だろう・・・ホントに癒される!!!
何だろうなぁ・・・憧れっていうか、あのナウシカの王蟲に対する優しさっていうか・・すごいですよね。
だからか、あの王蟲のナウシカに対する優しさが私、もうたまらなくて(><)
小さいあの囚われた王蟲が傷を優しく撫でてくれるのもなんですけど・・やっぱ最後ー!!!!!
金色の野っていうのは王蟲のあの・・管?のことだったんだね・・・あぁー!!ナウシカー!!!
 
もう、絶対に泣くポイントも変わらず(笑)
@ジルが殺されたと言って、みんなで怒るのをナウシカが止めて、みんなが泣くところ。
A身代わりになってくれた女の子と一緒に来たラステルのお母さんにナウシカが抱きつくところ。
B囚われてた小さな王蟲がナウシカの傷を撫でてくれるところ。「優しい子」って・・ナウシカー!!(叫)
C最後もう全部。王蟲の攻撃色が消えていくところとか、谷のみんなが「姫様ー!!」って泣くとことか
特に大ババ様の「その者青き衣をまといて、金色の野に降り立つべし・・」って泣くとこ!!
そんで、ナウシカの声も好きなんですよね〜。島本須美さん。あのもののけ姫でも出てくる方で。
西村雅彦の奥さん役(違)西村さんが声したあの男の人の奥さん・・すっごい強い女の人役(笑)
しかもアスベルはアシタカと同じ人だし。もののけのたたら場で2人が話すところはドキドキしました(爆)
 
あ・・忘れちゃいけない。「メーヴェ」私もう・・・・・これに乗りたくて乗りたくて(笑)
王蟲は手に入ったので、次はこれですね。
しかしナウシカのグッツってないですよね。古くて商品に出来ないのかもしれないんだけど・・欲しい。
王蟲のぬいぐるみ、ムシアブのマスコット、大王ヤンマのハンカチ(爆)
あ、それよりもジジとかヤックルがあるんだったら「テト」のぬいぐるみとかもいいのでは??ダメ!?
王蟲は100歩譲ってテトはいいでしょー。テトー。キツネリスはラピュタにも出てくるから嬉しい☆
 
最後に。どうか・・ホント。まだナウシカがどこかの世界で生きているならば、どうか幸せでいてくれますように。
幸せな日々をおくれていますように。心から願ってます。
ありがとう。

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